Julio Maldonado氏

2008.2.3

マルディーニと呼ばれている人がスペインにいます。
本名をフリオ・マルドナード氏といい、恥ずかしながら私も全く存じ上げてなかったのですが、スペインではFiebre Maldiniという自分の冠番組を持つ方です。

彼は元プレーヤーでもなく、ライターでもなく、職業は強いて言うならフットボールマニアとでも言ったらよいのでしょうか。

http://es.wikipedia.org/wiki/Julio_Maldonado

1990年代から、世界中のフットボールの録画をはじめ、今ではブラジルをメインに、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイなどの中南米、カメルーン、ナイジェリアなどのアフリカ、西アジア、またヨーロッパ全域の1部、2部、下部組織を含めて現地でTV放送のあるすべての試合を録画しているとのこと。

家にはなんと10万本だったかのDVDがあるというから驚きです。

そして現在彼が行っているサービスが、海外の各クラブチームに対して、獲得を希望する選手の最近の試合、過去の試合のすべて、もしくは1部をクラブの要望に対してパッケージ提供するというもの。

代理人が持ってくる選手のビデオというのは当然、その選手の過去のベストプレー集ですから、実際のプレーとは違っている部分も多いのです。ビデオで見てよかったから獲得したものの、実はその試合だけがすこぶる調子がよかったかもしれないのです。どこのクラブでも選手と契約する際には多額のフィーを支払うわけで、例えばその契約選手の最近10試合のビデオを見るだけでもかなり違った角度からの分析が可能になるでしょう。

今回の出張では、彼と食事をする機会があったのですが、本当にびっくりしたのは、単に全ての試合を録画しているのかと思ったら、自分の時間のほとんどを選手のチェックに使っていて、なんとセルヒオラモスなんかは14歳だったかのときに彼はすでにその才能を見抜いていたとのこと。

特定の選手について話をすると、この選手はテクニック的には●●●、フィジカル的には●●●、精神的には●●●といった感じでいろんな角度から話をしてくれます。ヨーロッパの有名選手のことならみんな知っているのですが、ブラジルの2部の18歳の選手などのことまでこんな感じで話すのです。

現在でもクラブチームからの要望で、例えば18歳前後のブラジルの左利きで180cm以上で、技術のあるセントラルを3名リストアップしてくれなどといわれてリストアップすることなどもしているそうな。

さらにびっくりしたのは、日本人選手のことまでやたら詳しい。今回セルティックに移籍した水野選手はもちろん、森本選手のヴェルディーでのデビューの年齢と初ゴールの試合なども記憶しているのです。スペイン人がですよ!

“好き”を極めきった人が活躍できる場所がちゃんとあるって素晴らしいなあと思います。