2003年10月、週刊ヤングジャンプで連載されているキャプテン翼の大空翼君が“バルセロナ”というチームに所属していることに目をつけた当時の上司がある企画をあたためていました。
それは劇中では“バルセロナ”に所属している翼君をリアルのFCバルセロナに完全移籍させてしまおうという企画です。
当時、バルセロナに所属していることになっていた翼君ですが、このバルセロナというチームは、実際のFCバルセロナではなく、架空のチームだったのです。
当時の上司が集英社に持っていった話の内容は、架空のチームとして連載されているバルセロナを実際のチームであるFCバルセロナからお墨つきをもらうこと。そして、FCバルセロナとの交渉をJSVがコーディネートするということでした。
JSVとしては、小売企業なので、翼君の肖像などを使用したFCバルセロナとのコラボ商品を販売したいというものです。
FCバルセロナとの交渉を担当したのが私でした。
最初は翼君の話をしてもわかるんかいな・・・と思ってたのですが、交渉は意外にとんとん拍子に進みました。
というのも、現地でもキャプテン翼が放送されていたのです。 オリベルとベンジーという名前だったのですが・・。
最終的に、キャプテン翼の作者である高橋陽一先生をFCバルセロナが招待し、ラポルタ会長の部屋で実際の選手さながらに、2+8 TSUBASAと入ったユニフォームを渡し、握手を交わすという絵が現地でとられました。
現地では翌日のムンドデポルティーボ紙、スポルト紙の1面にラポルタ会長との握手の写真、高橋先生が書き下ろした翼君の絵が掲載され、その絵がラポルタ会長に寄贈されました。
日本でもヤングジャンプの巻頭カラーで紹介されると同時に翼 x FCバルセロナコラボグッズが発売になりました。
商品が発売されたのが、確か2004年3月7日だったので、かれこれ5ヶ月かけたプロジェクトです。
翼君がFCバルセロナにわたってからFCバルセロナのユニフォームをきた翼君の絵が何回か書き下ろされたのですが、実は、ここで翼君のシューズのメーカーに関してのせめぎ合いがあったりとバーチャルとリアルの融合としては非常に面白い取り組みだったと思います。
この翼プロジェクトは、現地で相当話題になり、僕自身、このプロジェクトがきっかけとなり、FCバルセロナから名前を覚えてもらえることとなったのです。