会社が倒れるときって

2007.4.14

2003年9月。

私が株式会社日本スポーツビジョン (以下、JSV)に入社して2ヶ月がたちました。

入社して早々、会社の状態がよくないということはある程度わかっていました。というのも200名強の企業にも関わらず社長の決裁がなしでは、何一つ進まないという状況でした。

社長の決裁を待つために各部署の担当者が社長の同行を気にしてうろうろうろうろ。 部署間の連携はほぼ皆無で完全にお互いがお互いを引っ張り合っている感じで、誰がみても会社は末期だという感じで、そして誰もがそれをわかっているにも関わらずどこか他人事のような感じでした。

この会社大丈夫かなあ・・・と思っていた矢先に会社が買収されることになりました。突然、買い手の企業が入ってきて社長は解任。新社長が就任し、取締役クラスも数名を除いて刷新されました。

当然、元からいた社員、幹部クラスは新しく入ってきた会社の人を心よく思わず、会社はさらにばらばらに。

そして元からいた社員はどうやって会社の業績が上向くのかを考えるかわりに、会社がどういう人の手に渡り、その人の手腕がどうなのか、自分の職は保証されるのか、など誰しもが自分のことを考えていました。

かくいう僕も入社2ヶ月で会社がぐちゃぐちゃになっている状況をみて、自分の将来をどういう風に持っていくかばかりを考えていました。

一番社員の士気が下がったのは、新社長がスポーツには全く無知だったことです。社員が何かを提案しても、社長は何もわかっていなかったので、社員が社長のことを馬鹿にしはじめました。

社員みんながこういう状況だと当然のことながら業績はさがる一方で、さらに追い討ちをかけたのが、社員の4分の1がリストラされるということになったときです。

私は幸い対象ではなかったのですが、会社が倒れていく姿を目の当たりにして、「会社ってこういう風に倒れていくんや・・・」と思ったものです。

そういった状況の会社だったのですが、私個人としては、FCバルセロナオフィシャルショップがオープンした後、ライセンスを持っていた各プロパティーのマーケティングプランを作成する仕事を担当することになりました。

当時会社が持っていたライセンスは、FCバルセロナ、インテルACミラン、マンチェスターユナイテッド、ユベントス、MLB、NHL、NFL、NBA、FIGC、WWE、JBLなどなどほとんどの主要スポーツのライセンスをおさえていました。

そしてこのライセンスを使ってのオフィシャルショップにおけるマーケティングプラン、そしサブライセンス営業にも携わるようになりました。2003年10月のことです。

どこの業界でも、人に話して理解してもらえるレベルでの実績を積むことが肝心ですが、私が最終的にFCバルセロナと個人レベルでも話がなった大きなきっかけになった仕事があります。

自分で企画を立てた仕事ではない仕事ではあったのですが、今でもこの仕事のおかげで今の自分があると思っています。

それは集英社のヤングジャンプとのタイアッププロジェクトでした。