ライセンスビジネスの話が少しでてきたのでライセンスビジネスに関して少し説明します。
ライセンス・ビジネスとは、商品化権許諾業と訳すことができると思います。つまり、著作物や、商標を使用して、商品化する権利を使用したビジネスということですね。
よくある例で言えば、キャラクターやデザイナーズブランド等を使用した商品を製造販売する権利のことを商品化権といいます。
著作物として扱われるキャラクター等であれば著作権に含まれる複製権、商標権の確立したブランド等であれば商標の使用権が、この商品化権にあたります。
私が担当していたFCバルセロナなどの場合は、この中でも特にマスターライセンスといって、ブランドの包括的な独占的使用権のライセンスでした。
そしてこのライセンスの中に含まれていたオフィシャルショップの権利を使用し、オフィシャルショップを立ち上げる準備をしていたわけです。
ただ、チームのロゴを使用して商品を製造したり、ショップデザインを決めたりするにはすべてチームのスタイルガイドというものがありまして、チームとしてブランドコントロールするために、ロゴを使用する商品、販促物などすべてのものはスタイルガイドに沿った運用をしているかどうか承認を得なければなりません。
バルサの場合だと、白を使用したデザインはすべてNGがでたりします。(レアルマドリードの色は使用してはならぬという固い掟があります。)
この承認作業というのがなかなか曲者でして、商品などを製造するとグレーゾーンの商品が結構あるわけです。 つまりスタイルガイドぎりぎりのデザインや、スタイルガイドから完全に離れたデザインであって承認がとれたりするのです。
チームの承認担当者をどれだけ納得させられるかというのが腕の見せ所なのです。
その承認作業というのが私の最初の仕事でした。ショップオープンにそなえ、スタッフのユニフォーム、POP、ショッピング
バッグ、広告その他あらゆるものが承認にかかります。 特に商品化に関してはさまざまな制約があります。例えば、選手
の肖像を使用して商品化する場合は、必ず3選手以上の肖像を同時に使用しなければならないなどです。これは特定選
手の商品だけを製造させてしまうと、チームではなく、個人にフォーカスされてしまうからです。
この選手の包括利用という概念はチームによってまちまちで、3選手の場合もあれば、5選手の場合もあります。バルサで
言えば3年ぐらい前は3選手でOKだったのですが、現在では5選手を包括利用しなければならなくなりました。
実は、私はこの時までライセンスビジネスとはどういったものか全く知りませんでした。というより、海外サッカークラブのグッズなどが商品化されているということすら知りませんでした。
地元にはサッカーグッズショップがなかったのです。笑