興國高校 和田達也君スペイン挑戦レポート

2012.4.18

先週、大阪興國高校の和田達也君のスペイン挑戦をお手伝いしていました。

この話は、弊社でお手伝いさせていただいた興國高校のバルセロナ遠征の際にサッカーサービス社のクリニックを行い、プジョルのパーソナルコーチをつとめたこともあるダビッド・エルナンデス氏をはじめとするサッカーサービス社から高い評価を受けたことが発端となりました。

今回の挑戦について

1日目 : カンビダレット ユースA ( ユース3部 )

このクラブは、サッカーサービス社がコンサルティングに入っており、コーチ陣もサッカーサービス社から派遣され、技術的な部分よりも戦術的な部分がすごくしっかりしたチームでした。

初日だったこともあり、またチーム内の約束事がかなり多く、和田君も戸惑いを隠せませんでした。外から見ていても、自分の色を出すというよりは、チーム内の動きに適応していく部分に苦労していた感じです。

2日目 : カンビダレット トップチーム (カタルーニャリーグ2部、実質6部)

外から見ていた感じだとユースAの方が強いかなという感じでした。問題なくやれてはいるが、そつなくこなすだけで、全然自分の持ち味がでていない感じでした。1日目もそうだったのですが、スペインに来て、スペイン人が普通にできるプレーを普通にこなしているだけでは、この選手が欲しいという話にはならないので、とにかく自分の得意なプレーを出せるポジショニングに入ること、そして味方のボランチの動きを見て、縦の関係でも横の関係でもつるべの動きを意識してすることを話をして、3日目に備えました。

3日目 : マタローユースA ( ユース1部)

元々はモジェットという、ユース2部のチームでの練習の予定でしたが、急遽練習がキャンセルとなり、1部のマタローというチームがフランスのチームと練習試合をするということで、練習試合に参加することとなりました。

マタローは、カタルーニャユース1部で、FCバルセロナユースA、エスパニョールユースAなども所属するリーグでリーグを戦っています。

サッカー選手、運も大事です。たまたま転がり込んできた1部での練習試合出場のチャンス。ここでどれだけやれるかがスペインでどれだけやれるかを判断できる試金石ともなるだけに、ゴールに絡む動きをするようにと話をし、送り出しました。

試合は前後半90分で和田君の持ち時間は45分。試合では最初の15分ほどは緊張から硬さが見られましたが、ボールを何回か触るうちに本来の姿を見せ始め、ボールが少しずつ集まるようになってきました。

そして、マタローのあげた1点の起点となると、さらにボールが集まるようになり、それとともに、和田君もペースが掴めたのか、本来の動きだしの速さと空いたスペースに入っていく動きがでてきて、1ゴール!こぼれ玉を押し込んだ得点でしたが、大きな大きな1点でした。

サッカーサービス社からは今後詳細なレポートが上がってきますが、試合を視察していたサッカーサービスのクリスティアンコーチからは素晴らしく頭のよい選手だ、彼のサッカーインテリジェンスがあれば、すべての動きが他の選手よりも早いため、フィジカル的に劣っていたとしても、カタルーニャユース1部でも問題なくやれるという話でした。

4日目 : モジェット ユースA ( ユース2部)

4日目は、バルセロナの郊外にあるモジェットユースでの練習でした。駅を降りてからグラウンドがわからず、右往左往。住所で調べたら徒歩30分かかる距離にもかかわらず、町にはタクシーは一切走っておらず絶望的な状況に。途中で運良く流しのタクシーを広いグラウンドに到着。

マタローでの試合で、自信がついたのか、モジェットでのプレーは今までとは別人のように積極的に絡み、ドリブルで行く時はいく、叩くときは叩くと状況判断の質もあがっていました。1部のサッカーを経験したことで
少し余裕がでたのかなという気がしました。

5日目はカンビダレットのユースでの練習でしたが、僕はこの日に帰国したので練習見学はできませんでした。

マタローでの試合動画とカンビダレットでの練習動画

日本人の高校生選手が、サッカー部の海外遠征のサッカークリニックで評価されチャンスを得られたというのは大きな一歩だと思います。

今後、サッカーサービス社からのレポートの内容等によって彼の今後がどうなるか決まってくるかと思いますが、見守っていければと思います。

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