サッカーサービスコンサルティング例:緊急時のサポートとチームバランス良好時のサポートの違い

2012.6.20

前回、サッカーサービスのコンサルティングの概要を説明しました。
今回は、その一例として中盤の選手の緊急時のサポートと、攻撃時のサポート(チームのバランスがとれている場合のサポート)の違いについて記載したいと思います。

以前に興国高校の和田君のコンサルティングレポートの話を書いたことがあると思います。和田君の場合、中盤の選手のサポートの概念について、チームのプレーバランスがとれている場合(自分にメリットがある状況)や味方が厳しい状況にある場合(緊急時のサポート)のサポートの概念を完全に身につけるということが修正ポイントとして提示されました。具体的には、いつボール保持者に近づき、いつ近づいてはいけないのかという部分です。

レポートとしては、まず、下記のような図をもちいて緊急時のサポートと、チームのプレーバランスがとれている場合のサポートの概念の違いについて説明します。

そして、実際に選手のプレー動画を利用して、修正ポイントを明確にします。
例えば、この一連のプレーでは、センターバック(右側の)がボールを受け、プレッシャーがかかっていない状況にも関わらず、和田君はサポートのために近づいてきています。ボール保持者にプレスがかかっておらず、チームのプレーバランスがとれている場合は、落ち着いてプレーができ、前に進むためのスペースを探すことができるため、ボール保持者に近づいていかず、ディフェンスの選手にボールを運ばせ、敵をある程度食いつかせる必要があります。

その上で、トップ選手の動画を利用して、実際の選手がどのようなサポートを行なっているかを説明。特にチームのプレーバランスがとれている場合は相手の中盤の裏で受けることが重要で、その場合に学んでおくべきプレー方法の例を提示。
この場合はセスクが中盤のラインを破るプレーの例。

この場面、プジョルからチャビにボールがでてくるタイミングでセスクが中盤に顔をだしてきます。
その後、チャビから右のブスケツにボールがでます。ここからセスクの動きに注目してください。
ブスケツがピケにボールを戻した時、おそらく多くの選手が下がってもう一度受け直そうとすると思いますが、セスクはその瞬間、バックステップで敵の中盤のラインの裏に入りラインを破りにかかります。(実は、チャビもその横で似たような動きをしています。)
そして、セスクにボールがわたるときには、敵のセンターバックが釣り出され、中盤を破ることができています。
そして、敵チームのラインバランスがどういう状態かによってどういうサポートをしないといけないかというオプションを提示。

その上で、和田君自身のプレーで緊急時のサポートのいい例、前のスペースに入っていくタイミングのいいプレー例などについての整理


ポイント:味方が前に進むことができないと判断し、ボールポゼッションを続けるべく味方へのパスコースを作った。(最終的にボールは受けられなかったが)


ポイント :ディフェンスラインの選手の間のバランスが崩れたときを利用し、スペースに入っていく。 この場合、センターバックの背後からシュートゾーンに入っていった。

実際にコンサルティングする際は、一度に多数のポイントを指摘するわけではなく、一度に大きなポイントを3~4つ指摘し、そのレポートを元に月間ベースで改善されたかどうかを選手自身が判断(ビデオを使ってなど)していきます。

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