Jクラブ等セレクションについて

2016.10.21

ジュニア、ジュニアユースのセレクション真っ盛りですね。
本を出したこともあり、ジュニアユースセレクションや進路について相談されることが増えました。

それぞれの相談についてはここで記載することはしませんが、獲得する側の論理を少し話してみたいと思います。トップチームが選手を獲得する際、どういう発想で選手を獲得するか。それは補強ですね。弱いポジションを埋めていったり、コストが高すぎる選手をそうでない選手で伸びしろのありそうな選手と入れ替えたり・・・・。

育成の場合はどういう意図で選手を獲得するのでしょうか。
Jリーグの下部組織の場合が分かりやすいので参考までに書いてみます。

Jの育成の一番の目的は、自クラブでトップチームに上がる選手を獲得し、育てることです。
何人育成からトップチームへあがって、活躍できる選手を育てられるか、ここがポイントです。
そのため、できる限り将来性のある選手をとろうとします。プロに上がるためにはフィジカル的要素は避けて通れませんから、最初からフィジカルに優れているであろう選手を獲得しがちなのはやむを得ないと思います。 選手を獲得する側の人間も誰かから評価されるわけですから、小さくて、賢い選手をとって失敗するより、大きくて早い選手をとって失敗したほうが上から責められずにすみます。

ただし、いい選手だけを集めればいいわけではなく、チームとしてリーグで勝てる選手を集めることも必要です。 保護者の方で勘違いされている方が多いのが、J下部でやれるぐらいうまいかどうか、つまりレベルの高い子が上から順番に獲得されると考えている方が多いという部分です。

例えば、同じチームにサイドバックは5人も6人も必要ないわけです。もっといえば、いいサイドバックが2人いれば、その選手の控えを1~2名ほどとれば事足ります。何が言いたいかというと、ジュニアユースのセレクションであれば、そのクラブの今の6年生の選手のリストがスタッフの頭の中には当然あり、補強ポイントがあるわけです。 背が高くて、フィジカル的に強く、前でおさめられる選手が欲しいとか、足が早い左利きのサイドバックとかです。

つまり、トップチームにあがれる可能性のある選手を探しつつも、今のチームの補強ポイントを埋めていく作業があるのです。当然、選手全員がトップにあがるわけではないので、トップに上がるのは難しいだろうなとわかっていながらも、チームの一員としては必要な選手も必要になってきます。

これからJ下部を目指されるみなさんにちょっとコツを書きます。

① 自分が将来入りたいチームの補強ポイントはどこだろうと考えてみてください。
② そのチームでプレーしている選手のタイプをチェックしてください。
③ そのチームではどういうことが褒められ、どういうことに修正や指導が入るか見てください。

この3つを確認できたら、自分が受けるべきチームが見えてくると思います。
自分がセンターバックなら、スーパーなセンターバックがいるチームを受けるということはその選手以上のプレーヤーである必要があります。結果を求めてやみくもにいろんなチームを受けるよりは、どこを受けるかという準備に時間を割く方が賢いです。

次回は、選手として上にあがるには、何をどう伸ばせばいいのかという部分にフォーカスしたいと思います。

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