日本におけるACミランの変化

2007.12.16

今年に入ってからずっと、私は、日本においてのACミランブランドを高めるためにどういう取り組みをしていくかということをACミランと話してきました。

その中で私が抱いた印象を少し書いてみたいと思います。

彼らは、自分たちのブランドに非常に誇りをもっていました。ただ、鼻にかけ、まわりを見下すような形ではなく、ミランに引き継がれている伝統を長年にわたり守ってきたという自負と、それに基づく自分自身への確信からくる誇りでした。

そして、日本という、彼らにとっては未開拓のマーケットにおいては、彼らは自分たちが新参者ということを非常によく理解していて、「ACミランというチームは日本においてはどのようにとらえられているのか、わからないので教えて欲しい。」というスタンスをとる、とても謙虚であり好感のもてる人だと感じました。

どこの世界でも、過去の例を参考にして、そこから自分たちのケースに当てはめ、戦略を構築します。

もちろん、ACミランも例外ではなく、過去のモデルケース、つまり、日本で圧倒的人気をほこることになったクラブ、FCバルセロナの戦略を参考にしようと考えてはいました。

ただ、ACミランと話をしている中で、FCバルセロナと決定的に異なる部分が一つありました。

それは、ACミランのスタッフの中には誰一人として、日本においてのACミランの人気がどれぐらいあるのかわかっていなかったのです。

何かをやろうとしても、どれぐらい人が来て、どんな感じになるのか、想像できないので話がなかなか前に進まない。そんな感じでした。

こういう状態を打破するには、もう作戦はただ一つ。「百聞は一見に如かず」作戦です。

1つは、今回、SBIグループから発行されたACミランクレジットカード、ACミランキャッシュカードです。

もうご存知の方も多いとは思いますが、今年の1月からずっと交渉を重ね、今月6日になんとか滑り込みでローンチできたのです。

この交渉の話の裏話などをすれば、たぶんそれだけでも本が一冊書けてしまうのではないかというぐらい複雑な交渉で、今思えば、本当によくクローズできたなあ。。。という感慨深いものです。 

2つめは、ACミランポイントです。

ACミランポイントに関しても、過去にバルサポイントをやっていたので、イメージをさせることはできたのですが、彼らの主張は、バルセロナで成功したのはわかるが、ACミランでは成功するのか?ということでした。(まあ、当たり前なんですけど。。。)

この心配は、ミラン関係者にとっては、いい意味で裏切られたようで、担当のフランチェスカはテンションあがりまくりで、ワンダフルを連発。ありとあらゆるイタリアメディアを連れてきては取材をさせていました。

そして、ACミランポイントスタッフの写真がミランのオフィシャルサイトのトップページに掲載されるというおまけもあり、イタリアにもミランポイントの盛況ぶりが伝わったようです。

ミランポイントに集まっているミラニスタの数を目の当たりにしたフランチェスカと先週ミーティングをする機会があったのですが、

「みつる、今回のACミランポイントやミランの練習を見に来ているファンの数を見て、本当にびっくりしている。あなたの私見でもいいので、本当に今まで取り組んできた中で、日本においてACミランブランド力がどの程度なのか、教えて欲しい。」と。

私は、FCバルセロナを10とするとACミランは9ぐらい、そしてバルセロナに関しては、3年で5回来日したことが相当影響しており、一概に比べられないこと、またファンの層、質がバルセロナと比べるとかなり違うことなど、私見ですが細かく話しをしました。

おそらく、このCWCがおわり、ミラノに帰った彼らの中での今後の極東における戦略がかなり日本よりに変化すると思われます。

もし、来年、ACミラン関係の露出が増えたら、それは今回のCWCでの彼らが実際に自分の目で見たものが影響したものだといえると思います。

そして、少しでも彼らの手助けをできたら私自身も非常に嬉しく思います。

あんまりやりすぎるとバルサからちくちく言われるのでなかなか難しいんですけどね。。笑

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