中村俊輔騒動、トラブルの原因はどこにあったのか

2009.6.23

中村俊輔選手のエスパニョールへの移籍が決定しましたね。
妥当な選択だと思います。

人生は1回しかないし、日本にはあと2年後に帰ったとしても十分活躍できますからね。

リーガのチームからオファーがあったのに挑戦しなかった場合、今後の人生において必ず後悔することになっていたような気がします。

彼の胸中はわかりませんが、マリノスとの交渉で気分を害されたというのが最大の原因ではないと思います。

実際、ウズベク戦の後、成田空港についた時のインタビューで、いろいろな人に相談してきめますといっていましたし。

それよりも、今回非常に気になったのが、マリノスの動きです。

弊社では海外クラブとの契約をこれまで何回もやっていますが、契約書にサインするまで100%というものは存在しないということは、当然の話です。

それを契約にサインをする前からすべての仕込みをやってしまうというフライング体質は日本の悪しき習慣だと思います。

今回に関して単純に私が疑問に思うことは・・・。

シーズン終了後は、原則として4週間の休暇を与える義務があり、(確かFIFAの規定だったかなんかで) ただし、本人の合意があればその限りではないという原則です。

→ 6月21日にレッズとの試合にでてもらうことを想定しているなら、前もって確認しているべき。

にもかかわらず、おそらく中村選手はマリノスとの交渉の席ではじめてそれを聞いたと思われます。

TVの仕込みについても、スタジアムでのイベントの仕込みについても、グッズの制作についても、すべて中村俊輔選手の意志ありきなのにもかかわらず、その意志確認が取られていなかったと考えるとすると、やは りマリノス幹部は責任をとらざるを得ないと思います。
逆に、誰も「本当に来るのか」ということを疑問に思わなかったのかということが不思議です。

もしかしたら、現場レベルではそう思っていたかもしれません。しかし、契約内容や、交渉の進捗などの話は現場に下りてきていないわけで、確認はとれないわけですし、なかなかそんなことは上には聞けません。「21日の試合に出場するという話は、すでに許可とれてるんですか?」とは聞けないでしょう。。

そうするとフライングしたのは現場ではなくて、やはり上層部の中村俊輔選手への確認漏れだと考えられます。一生懸命仕込みをした現場の方たちは悲惨です。

もしくは、「俊輔は出てくれるに決まってる」という思い込みが、確認漏れを招いたのかもしれませんが、そもそも中村俊輔選手が出てくれない可能性があるということすら思いもよらなかったのではないでしょうか。欧州で1年間フルで活動し、さらに合間に代表戦にもでていた選手が帰国後休みなく、Jのシーズンをフルに戦ってくれると思っていたのでしょうか。それともレッズ戦だけはお願いします!ということだったのか。。

真相はわかりませんが、今回の件は、親会社から出向で派遣された人がクラブのトップになった場合に、起こりえる実務上の問題が露呈した大きな事件だったのではないでしょうか。

ニュースにはなってないですが、今回の件以外にもこういうことは相当あると思います。