すでにスペースを見ることができる選手へのアドバイス

2011.12.13

先週、大阪の興国高校のスペイン遠征に同行した。

遠征中にサッカーサービス社のクリニックを行った。
選手全員48名を2回にわけて計4時間。

セスクを発掘したカルラス・ロマゴサと、プジョルのパーソナルコーチを勤めていたダビッド・エルナンデスを含め、4名のコーチが来てくれた。

四角の中での3対3で、各辺にフリーマンをおいた上でマークを外す動きの練習でのこと。

選手の中に、四六時中首を振り、スペースを探しながら、サイドステップで少しずつポジション修正をはかっていく選手がいた。

その選手は、非常にスペースを探すのがうまく、ふとできた小さなスペースに入り込み、ボールを受けたら簡単にまわりにはたく。

練習がはじまってしばらくした頃、ダビッドがその選手を呼び、アドバイスした。

僕は通訳したのだが、ダビッドが伝えたことを書きたい。

「君は、すでに周りの情報を集め、そしてスペースを見つけ、そこにパスを出すのが非常にうまい。シャビ・アロンソができることは君はすでにできている。今、アドバイスできることは、チャビ・エルナンデスを目指すことだ。

チャビは、今、非常に小さくてスペースに見えないかもしれない小さいスペースがその後大きくなっていく2秒先が見えている。また、今は大きくて有用に見えるスペースが2秒先には、もう埋まってしまっているスペースも見えている。

例えば、センターバックが2人いて、今はすごく近いポジションをとっているため、スペースがないように見えるかもしれない。でも、2秒~3秒後にはそのどちらかがつりだされることによって、スペースができはじめるかもしれない。君は、そのでき始めているスペースを見つけ、そこを使うんだ。これからの君の課題にして欲しい」

僕が驚いたのは、ダビッドはその1発の練習で彼が今どこまでできるかを瞬時に認識し、その上で的確なアドバイスを与えたことだ。その選手は僕から見ても、高校生でここまでスペースを見つけ、そこに入り込むために常にポジション修正をしていく選手は初めてだなと思っていた選手だったのだが、それは初日のトレーニングマッチからプレーを見ていたからであり、とてもじゃないけど、1日の中で初めてボールを使った練習でその選手がどこまでできて、どこまでできないかは見分けられないと思う。

毎度毎度サッカーサービスの指導には驚かされるが、特にユース年代を超えてからの緻密な戦術指導は素晴らしいの一言につきる。そしてそれは、ジュニア世代のうちにサッカー選手が必要とされるサッカーの土台を徹底的に行うことによって応用が可能になるというのも非常にわかりやすい。

来月にはサッカーサービスが来日するが、今回もいろいろな話が聞けそうだ。