自分にあったサッカーキャンプの見極め方。

2013.5.11

弊社がバルサキャンプをはじめたのが2007年。
当時は、夏に海外クラブのサッカーキャンプをやっていた会社は弊社しかありませんでした。

そして、2013年。
たくさんの海外クラブが日本でサッカーキャンプを開催しています。

僕自身も責任者として、バルセロナキャンプ、ミランキャンプ、アーセナルキャンプ、サッカーサービスキャンプにかかわり、現場で経験することで、それぞれのキャンプの特性を知り、参加されるお子さんのモチベーション、サッカーのレベル、その他さまざまな要素により、満足度が異なるということも学びました。

そこで、どういった視点によってサッカーキャンプを選べばお子さんが楽しく過ごせて、その上で、サッカーのレベルも向上させられるのかという点について書いてみたいと思います。

1. お子さんの意思

サッカーキャンプに参加する際に一つの指標となるのが、お子さんが何を求めているかというところです。お子さんは大きくわけると① プロのサッカー選手になりたい ② サッカーがうまくなりたい ③楽しくサッカーがしたいという3つのタイプに分類されると思います。 サッカーをはじめてあまり時間がたっていないお子さんであれば、おそらく②と③が該当するでしょうし、すでに意識高くサッカーをしているお子さんであれば、①に該当する可能性が高い気がします。

避けなければならないのが、例えばプロのサッカー選手になりたいという子が、初心者に近い子が多く参加しているキャンプや、サッカーをはじめてまだ3ヶ月とかぐらいの子がプロのサッカー選手になりたいというような子が多く集まっているキャンプに参加してしまうことです。 いずれの場合もお子さんがレベルの違いや、選手間の意識の違いに戸惑ってしまうことになります。

ただし、サッカー経験が1年に満たない場合であっても、小学校2年ぐらいまでであれば、どのサッカーキャンプに参加しても特に問題はないと思います。

2.どういったトレーニングが行われるのか

サッカーキャンプのトレーニングメニューはチームによってかなりの違いがあります。
それぞれのチームには、13歳以上のカテゴリーになったときに何を教えていくかというプランニングがあり、そのプランニングの中で12歳までには何にフォーカスして教えるということが決定されているからです。

いくつかの弊社のキャンプ例をあげてみたいと思います。

【ACミランキャンプ】
ACミランでは、個人戦術に関しては、13歳以降の世代で徹底的に行いますが、U12では個人のテクニックにフォーカスしてトレーニングを行います。ただ、個人技術とはいっても、個人戦術の要素も少し含まれた個人技術であり、何人かで意思疎通をはかりながら、技術を高めるという練習が多いのが特徴です。日本でも多く見受けられるタイプのアナリティックな練習(反復練習)も存在するため、上記②と③に該当する子や、テクニック面で普段と違うタイプの練習をやりたいと考えるお子さんには向いていると思います。一方で、普段から技術面のトレーニングを徹底的にやっている①に該当するお子さんだと少し物足りないと感じてしまう可能性はあります。
http://milanjuniorcamp.jp/

【アーセナルキャンプ】
アーセナルでは現地のアーセナルアカデミーのトレーニングにおいても、パス&ムーブやファーストタッチについて徹底的にトレーニングするのと同様に日本でのアーセナルキャンプでもパス&ムーブやファーストタッチを体に染み込ませるタイプのトレーニングが多いのが特徴です。例えば、日本ではパス&ゴーで、パスをしたら前に走らせるようなトレーニングが多いですが、アーセナルではパスをした後に、バックステップをさせるようなトレーニングもあります。
基本的には、アーセナルのトップチームで行っている特徴的なプレーをドリル化してU12の年代のトレーニングに落とし込み、アーセナルの動きを体で覚えてもらうというようなトレーニングです。僕個人の見解では、アーセナルのトレーニングでは日本と似たようなトレーニングをアプローチの視点が違うかなという印象です。そのため、上記①、②、③のいずれのお子さんにとっても楽しめるし、普段と違う動きを学べると思います。
http://aslj.net/arsenalsoccercamp/

【FCバルセロナキャンプ】
バルサキャンプでは、バルサの戦術的な動きを徹底的に教えていきます。
バルセロナでもやっていることと同様に、技術面+戦術面(攻撃時と守備時)の要素、とくに攻撃時と守備時のバルサの動き方の基本というようなことにフォーカスします。
個人の戦術というよりは、バルサというチームの基本戦術を学べると思います。
そのため、すでに技術的にはレベルの高い①、②に該当するお子さんにとっては入っていきやすいタイプの練習になるかと思います。サッカーをはじめて間もない低学年のお子さんにとっては戦術の動きなどについて理解するにはかなり苦労するかなあと思います。
http://juniorcamp.pl.shopserve.jp/

【サッカーサービスキャンプ】
サッカーサービスのメソッドはバルサのものとは一線を画しており、FCバルセロナキャンプのようにバルサの動き方を学ぶということは行いません。 むしろ、スペインでU13までに学ばなければならない個人の戦術をともなった技術にフォーカスして行います。 特にサポートをする際の体の向き、ボールコントロールする際にどちらの足を使うのか、サポートの概念、ディフェンスの入り方、数的優位での作り方等々、すでに基本技術が高く、将来的に、欧州や日本でプロになりたいと本気で考えている選手にとって最も効果があると思います。 また、事細かく、いろんなことを教えて欲しいとか、賢い選手になりたいという意欲が強いお子さんにとっては最も満足度が高くなると思います。
http://soccerservices.jp/

上記のようにいくつかの特徴を記載しましたが、小学校2年生ぐらいまでであればどのキャンプに参加しても、楽しく、刺激があり、大いに学びがあると思います。 小学校3年生以上のお子さんにとってはすこしご子息のレベルや意識の高さを考慮しながら選ばれたほうがよいかと思います。

3.海外への挑戦

どのキャンプでもどのクラブでも日本でキャンプをやる際に選手を発掘にきたとは言いません。実際の目的も選手発掘ではないからです。とはいうものの、どのコーチも「メッシ級」がいたら話は別だという認識です。 どの国に挑戦しやすいかというのは一概にはいえませんが、イタリアではフィジカルと高い技術を持った選手が目を付けられますし、イングランドではスピードとフィジカルが求められます。逆にスペインでは、フィジカルよりも、頭が賢く、高い個人戦術能力があり、スピードがある選手が求められます。イングランドやイタリアでは15歳ぐらいになるまでに選手をとるという概念はあまりありません。さらっと説明させていただきましたが、キャンプを選ぶ際は名前やイメージだけで選ぶのではなく、さまざまな情報を考慮にいれて選んでいただければと思います!