世界中から引く手あまたのバルサコーチ。日本のクラブがバルサコーチを招聘したら・・・

2011.6.20

また一人、旅立ちました。

2007年、2008年とバルセロナキャンプにも参加してくれたコーチが香港のクラブへと旅立つことになりました。

すでに香港では、Kitchee SCというクラブに1名おり、そのクラブの兄弟クラブの下部組織の責任者となるようです。

1名とった後にもう1名引き抜くということは、最初のバルサコーチに満足していることの証であると思います。

ここ1~2年とくに増えてきたバルサコーチの引き抜き。

今年は、元カンテラのコーディネーターであるアルベルト・ベナイジェス氏をはじめ、アンドレス・カラスコ氏など、バルセロナ下部組織の中でも責任者クラスの面々が引き抜かれています。

行先は、UAE、カタール、グルジア。

彼らは、かなり高額な、バルサのカンテラコーチをしているだけだと決してもらえない額を受け取ります。

ここでテーマにしたいのは、世界的に評価の高い育成方法をチームに取り入れることで、実際にチームの強化になったり、プロとして巣立っていく選手がでてくる確率がたかまるかどうかです。

日本以外の国にはまるかどうかは、これは正直わかりません。その国の文化についてもサッカーについても造詣が深くないためです。

日本のチームに元バルサコーチを招聘した場合、どうなるか。

バルサのカンテラは、技術的に完成度の高い選手を集めて、バルサの哲学、バルサのフットボールの言語を見につけさせることが、バルサの下部組織が最も力をいれている部分です。

それと同じことを行おうとすると、技術的に完成度の高い選手を集める必要があるため、やはり、Jクラブの下部組織クラスでないと、なかなか難しいのではないかと思います。

また、「バルサの言語」という部分ですが、これを説明すると本が一冊書けてしまうので書けませんが、バルサのサッカーをしようとすると「バルサの言語」を見につけないといけないので、これを徹底する必要があると思います。しかし、日本の文化の中でサッカーをしている選手にとっては、「バルサの言語」を完全に身につけるのは無理だと思いますし、逆にそこまで徹底的に身につける必要性はないと思います。

日本には日本のよさがあり、日本には日本の文化がある。ただ、「バルサの言語」の中で、やはり日本のサッカーに取り込んでいった方がいいだろうというものを、体系的に取り込んでいき、日本化していく。そういうことができれば、日本サッカーがバルサコーチの力を借りた上で、一段上にいくきっかけになるのかなと思います。

実際、バルサのカンテラコーチの中でも、日本に俺を売りこんでくれという話は、結構あります。 Jとか、どこかのクラブチームの下部組織がバルサコーチを数名引き抜いて、育成型のチームを目指したら面白いと思うんだけどなあ。時間はかかるけど、歩留りのよい投資になると思うが・・・。