バルサのシークレットとは? (バルサキャンプ・バルサスクールのカリキュラムの秘密)

2015.5.20

バルサキャンプというキャンプはだいぶ世の中に浸透してきてはいますが、実際に行うトレーニング内容は、あまり深く知られていないと思いますのでちょっと説明したいと思います。

まずキャンプのトレーニングのベースとなる、現地スペインのFCバルセロナスクールのカリキュラムの話です。現地のバルサスクールでは(日本の葛飾校、福岡校もですが)年間を8つのブロックにわけて指導していきます。

その各ブロックでは必ず、「技術面」「戦術面」「システムの動き」という3つの項目が連動した上で、1日の練習でトレーニングを行います。

①「技術面」のトレーニングでは、「攻撃時」「守備時」にわけ、その両方を同時にトレーニングします。

②「戦術面」のトレーニングでは、「味方がボールを持っている場合」と「味方がボールを持っていない場合」についてトレーニングします。

③「システムの動き」では、スペインの7人制サッカーの中でバルサがとっているシステムである1-3-2-1のポジションで、それぞれのポジションの動き方の基礎を教えていきます。この場合も、「味方がボールを持っている場合」と「味方がボールを持っていない場合」についてトレーニングします。

上記①、②、③のすべてを1時間の練習に段階的に理解できるように行っていきます。

1時間のトレーニングでは、まず、ボールを使ってのアップからはじまり、その後、ロンドと言われるポジションを意識してのボールまわしがあります。ここから、ブロックのテーマ別のトレーニングが始まります。

最初のセッションでは、例えば、技術面では、攻撃面「ボールを運ぶドリブル」、守備面「ディフェンスの入り方」をトレーニングします。つまり、最初の練習では、上記②と③は考えずに①の面だけトレーニングします。

2番目のセッションでは、ボールポゼッションの練習を行い、その中で、ボールを持ったチームは、「幅と深さ」にフォーカスして指導し、ボールを持っていないチーム、つまりディフェンスは「狭く、小さいブロックを作る」という部分にフォーカスして指導します。

最後のセッションでは、ゲーム形式のトレーニングで、その日にやったトレーニングである、ボールを運ぶドリブルや、幅と深さを意識しつつ、ポジション別にはどう動けばいいかという1-3-2-1システムでの動き方の基本を教えます。例えば、味方のキーパーがボールを持ったら、幅を意識して、サイドバックは目いっぱい外に開く、そしてボールをキーパーから受けたら、前が空いていればボールを運ぶ、というような具合です。

つまり、1日の練習の流れは、以下のようになります。

1.ボールを使ったアップ
2.ロンド
3.技術的セッション(攻撃時、守備時)
4.ポジションを意識しないゲーム
5.ポジションを意識したゲーム   

先ほど記載したブロックを8つにわけるという部分ですが、上記3.4.5.についての部分を8項目にわけています。

例えば、技術的セッションだと以下のような内容です。

攻撃面 :ボールを運ぶドリブル、コントロールとパス、かわすドリブル、シュート
守備面 :ディフェンスの入り方、インターセプト、

また、ポジションを意識しないゲームセッションだと以下の内容です。

ボールを持っているとき: 幅+深さ、ボールまわしの基礎、ビルドアップ、確実な攻守切り替え方法、マークを外す動き、サポート、攻撃状況におけるフィニッシュなど

ボールを持っていいないとき:狭く小さいブロックを作る、ボールを失った際のプレス、オーガナイズされたプレス法、カバーリング、攻め込まれた際のプレス法など

ポジションを意識したゲームセッションだと以下のような内容です。

ボールを持っているとき: ポジションとそれぞれのポジションの機能(1-3-2-1)、システムに合わせたボールまわし、システムを利用しての攻撃時における解決法、ボール展開、攻撃時のオートマティズム、

ボールを持っていいないとき:ポジションとそれぞれのポジションの機能(1-3-2-1)、相手のビルドアップ時にオーガナイズされたプレス法、システムを利用しての守備時における解決法、相手のサイドバックがボールを持ったときの守備時における解決法、守備時のオートマティズム

上記は、1年かけて行う内容であり、その内容を凝縮して4日~5日間で行うのがバルサキャンプです。5日間のバルサキャンプでは、9回の練習のうち、8ブロック+復習という形です。
このようなバルサのやり方は、他クラブが行うように、キャンプだけをエンジョイと割り切って切り離したやり方ではなく、バルサメソッドを凝縮して教えるという方針をとっています。

http://juniorcamp.pl.shopserve.jp/