日本人のカンテラ入団記事の件

2010.10.27

子供の将来のことを考えると、誤報であったとしても、真相はかかない方がいいのでは?というメールをある方からもらいました。

ただ、やはり、それ以外のたくさんの子供達のためにも真実は書くべきだと思いました。スペインで挑戦したいという少年も多いでしょうし、スペインへの挑戦が簡単なことではないという認識を持ってもらうことも必要だと思います。

結論からいいますと、バルサのカンテラに日本人の少年が入団したという事実はありませんでした。現地では、日本でのニュースを受けて、バルサにも問い合わが入ったため、結構問題になったようです。

10月15日にバルサの練習場であるCIUDAD DEPORTIVAに行きました。その際に、プレベンハミン(7歳)のコーチである2名のコーチから話を聞きました。

彼らがバルサカンテラの上層部に確認したところ、そのような事実はないとのことでした。

(バルサカンテラコーチは、このような話が出てくると、もう日本人をバルセロナへ連れて来て練習に参加させたりするのは辞めようという話になりかねないと危惧していました。)

また、アトレティコのキャンプに参加した選手にバルサがオファーを出すことはありえないし、仮にたまたまバルサのスカウトがいたとしても、まずバルサスクールの練習かバルサカンテラの練習に参加させ、実力を見極めることが通常の流れであるとのこと。

さらに、現在は、12歳以下の選手はカタルーニャ人以外は獲得しないという原則があり、仮にその規則を曲げてまで獲得するとしたら、メッシクラスの選手で、もしメッシクラスだとしたら、家族なしで、ホームステイということはありえないとのこと。

通常は、スーパーな選手であっても、外国人であれば、家族ごと、もしくは単身であれば寮に入るのが通常だということです。

また、現地で僕自身もカンテラのアレビンA(11歳)の練習を見学しましたが、アジア人はいませんでした。(韓国人の選手は隣のピッチで練習していました。)

ここからは個人的な見解です。

今回の記事はどういう経緯で掲載が決定したのかはわかりません。ただ、取材は日本で行われているので、記者は現地へいったわけではないと思います。とすると、内容は堀田さんが話した内容を元に記事にしているか、少年側から聞いた話を元に記事にしているかどちらかかと思いますが、文章をよく読むと、少年のお父さんと堀田さんが友人とありますので、もしかしたら、お父さんから記者にした話かもしれません。

いずれにしても臆測の域を出ませんのであんまり書きませんが、メディアの方は、世の中に情報を出すということの重みをもっと認識することが必要ではないかと思います。

今回の話などは、ちょっと裏をとれば、容易に事実関係がわかる話であり、ちょっと間違えましたで済むレベルでないほど大きなニュースですので。

スクープ的な記事を書きたいのはわかりますが、そのためには書き手もそれなりの責任をもって取材に挑み、スクープであればあるほど、入念に裏をとる必要があると思います。